「Who Moved MY Cheese?(チーズはどこへ消えた?)」著Spenser Johnson,M.D. 訳門田美鈴
昨年この本を読んでいろいろ考えさせられたことを思い出して、改めてこの本を再読した考察を記事にしてみます。
この本は本編だけなら1時間くらいで読める上に結構面白い内容なので、この記事を読んで興味を持った方はぜひ読んでみて下さい。
物語のあらすじ
この物語に登場するのは、2匹のネズミと二人の小人である。
2匹のネズミの名前はスニッフとスカリー。2人の小人の名前はヘムとホー。
この2匹と2人は「迷路」の中に住み、「チーズ」を探すという至ってシンプルな物語です。
ここで登場する「チーズ」とは、私たちが人生で求めるもの、仕事や家族、財産や健康そして精神的な安定・・・等々の象徴です。
「迷路」とは、チーズを追い求める場所、会社や地域社会、家庭・・・等々の象徴です。
単純な思考で本能的に行動する2匹のネズミと考えがたくさん詰まった頭脳を持つ2人の小人。
毎日チーズを追い求めて迷路に出かける日々です。
ある日たくさんのチーズがある部屋にたどりついた2匹と2人。
あまりにたくさんチーズがあるため、しばらくはチーズを探しに迷路に行かなくなってしまいます。
ここで、ネズミたちと小人たちで行動が変わってきます。
ネズミは本能でこの部屋のチーズがいつまでもあるわけではないことが分かっていました。
なので新しいチーズを探しにまた迷路に挑みます。
一方小人たちはこの部屋のチーズはいつまでもあり続けると考え、新しいチーズを探しに行きません。
そして、いつの間にか「迷路」は恐いものだという意識を持つようになります。
しかし、運命の日はやってきます。
ある日の朝、ついにチーズがなくなってしまいました。そのころには、いつの間にか2匹のネズミたちもいなくなっていました。
途方にくれる2人の小人ヘムとホー。
新しいチーズを求めて迷路に再チャレンジするのか、なくなってしまったチーズが自然と戻ってくるのを待ち続けるのか。
この選択が2人の小人の運命を分けます。
ヘムはなくなった「チーズ」が戻ってくることを期待して待ち続け、ホーは新しい「チーズ」を探しにまた「迷路」に挑戦をする。
ここまでが、物語のざっくりとしたあらすじです。
読んでみて自分と重ねる
この「チーズ」と「迷路」はいろいろなものに置き換えられると思います。
たとえば、
「チーズ」 | 「迷路」 |
成功体験 | 人生 |
今までの技術 | 世の中の流れ |
権力や地位 | 会社 |
幸せ | 人生 |
お金 | 賭け事 |
「チーズ」と「迷路」の例え
私は地位と会社の関係が結構しっくりきました。
私の場合は職場異動が意外と当てはまるような気がします。
以前の職場は10年働いて慣れ切った楽な環境でした。完全にチーズのある部屋にたどり着いて新しいチーズを探しに行かない状態です。
しかし、今回の職場異動があって今までの楽な環境つまり「チーズ」を失って、新しい職場という「迷路」で新たに「チーズ」を探す旅が始まったわけです。
ここで、いつまでも過去の「チーズ」についてうじうじ考えていたり、自然と前の職場のような楽な環境になることを期待して待っていては何も始まりません。
ここで私は自分がヘムになるのかホーになるのか分かれます。
一応今の気持ちはホーのように新しい「チーズ」を探すことを決めて行動を始めたばかりです。
これからも、「チーズ」を探し続けて行動を続けようと思います。
この場合のネズミ2匹はどういう行動になるのかを私なりに考察しました。
おそらく2匹のネズミのタイプだと職場異動の前に自らの意思で転職をするのではないかと思います。
職場の環境が変化して合わなくなってきたと感じたらすぐ転職をして、居心地の良い職場を探し続ける。考えるよりも行動をしてしまうタイプだと思います。
環境の変化についていく覚悟
この本を読み終えて率直な感想は、環境の変化に対応していくことが大切なんじゃないかと思いました。
おそらく今回登場した2匹のネズミと2人の小人。これは人の考え方をざっくり4種類に分けたものだと思います。
- 直観を頼りに行動するスニッフ
- トライアンドエラーを繰り返すスカリー
- 一度手に入れた栄光を忘れられないヘム
- 失ったらまた探しに行くホー
こんな感じの2匹と2人の登場キャラクターの特徴が私たちに当てはまるのかもしれません。
おそらく、どれが良くてどれが悪いということはないのだと思います。
環境は日々刻々と変化しています。そのことを意識しておくだけで、人生はより良い方向に進んでいくのだと思います。
コロナウイルスの流行により環境が一変しました。そして、コロナウイルスの感染拡大を防止するために急速に科学が発達しました。
日々便利なものも増えています。スマホの普及に始まり、キャッシュレス決済やリモートワーク。今まで会社に行って仕事をするのが当たり前だったのが、一部では会社に行かなくても仕事ができることが分かってしまった。
そして、この環境の変化にうまく対応することがこれからさらに大切になっていくのだと思います。
最後に
環境の変化が激しい現代だからこそ、この本に出逢えて良かったと思います。
ほんの少し意識するだけで、今までとは全然変わった見方や考え方もできます。
こんなに薄くてすぐに読み終わる本なのに内容は深く考えさせられるものでした。
興味を持った方はぜひ読んでみて下さい。
もしかしたら、みなさんの悩みを解決できる一冊になるかもしれません。