過去10年間ほとんど毎年最終問題として出題されている浮遊粒子状物質および自動計測器に関する出題。
今年も問25の最終問題として出題して欲しいものです。
出題傾向もだいたい決まっているから対策はしやすいよ
この記事では過去に出題されたところをまとめていますので試験勉強に役立てて下さい。
今回記事を書く際に参考にした問題集はこちらです。
大気中の浮遊粒子状物質ってなに?
JIS B 7954の定義だと「大気中に浮遊する粉じん(ダスト、ヒューム、ミストも含む)。」とあります。
備考に書かれていますが、「環境基本法に基づく大気の汚染に関わる環境基準に関する浮遊粒子状物質とは、大気中に浮遊する粒子状物質で、その粒径が10μm以下のものをいう。」とあります。
この粒径については過去10年で2回出題されています。覚えておきましょう。
過去10年で出題された問題を紹介
過去10年で出題されたのはほとんど計測器についてです。
計測器の名称と特徴をシャッフルした正誤問題が頻繁に出題されています。
計測器の名前と特徴を覚えておけば解けます。
各計測器の名称と特徴について紹介していきます。
※「JIS B 7954大気中の浮遊粒子状物質自動計測器」より引用
- ベータ線吸収方式
- 圧電天びん方式
- 光散乱方式
- フィルタ振動方式
- 吸光方式
ベータ線吸収方式
測定原理
ろ紙上に捕集した粒子によるベータ線の吸収量の増加から質量濃度としての指示値を得るもの。
構成例
大気導入部、浮遊粒子状物質捕集機構、ろ紙供給機構、ベータ線源、検出器、演算制御器、流量制御部等で構成されている。
大気導入部は必要に応じて分粒装置を付加する。
ベータ線源は、密封線源で、14Cや147Pmなどの低いエネルギーのものを使用する。
ベータ線源の放射能は、3.7×106Bq以下であり、放射線障害防止法に規定された「放射性同位元素」には該当しないが、その取扱いには注意しなければならない。
ベータ線の検出器は、シンチレーション検出器、電離箱、半導体検出器などを使用する。
圧電天びん方式
測定原理
粒子を静電的に水晶振動子上に捕集し、質量の増加に伴う水晶振動子の振動数の変化量から質量濃度を求める。
構成例
大気導入口、等速吸引機構、浮遊粒子状物質捕集・検出器、洗浄機構、高圧回路、演算制御器、大気吸引部、指示部で構成する。
光散乱方式
測定原理
粒子による散乱光量から相対濃度としての指示値を得るもの。
相対濃度とは粉じんの絶対濃度と1対1の関係にある物理量をいう。
構成例
大気導入部、検出部、光源、光源安定化回路、増幅回路、演算制御部、大気吸引部、指示部などで構成する。
光源は、レーザーダイオード、タングステンランプなどを使用する。
フィルタ振動方式
測定原理
ろ紙上に捕集した粒子による円すい状振動子の振動数の低下から質量濃度としての指示を得るもの。
構成例
大気導入部、等速吸引機構、浮遊粒子状物質捕集・検出器、流量制御部、発振回路、演算制御器、指示部などで構成する。
吸光方式
測定原理
大気中の浮遊粒子状物質をテープ状ろ紙の上に捕集し、捕集前後のろ紙の吸光量、反射量の変化をタングステンランプなどを光源とし、検出器(光電管、半導体光電変換素子など)によって光電変換し、相対濃度としての指示値を得る。
構成例
大気導入部、浮遊粒子状物質捕集機構、ろ紙供給機構、光源、光源安定化回路、検出器、流量制御部及び演算制御部などで構成する。
今後出題の可能性がありそうなところ
JISを読んでいて問題にしやすそうなところを見つけたので紹介します。
構造一般
計測器の構造は、次の各項目に適合しなければならない。
- 形状が正しく、組立及び各部の仕上がりが良好で、堅牢でなければならない。
- 通常の運転状態で危険の生じるおそれがなく、安全で円滑に作動しなければならない。
- 各部は、容易に機械的・電気的故障を起こさず、危険を生じない構造でなければならない。
- 結露などによって、計測器の作動に支障を生じない構造でなければならない。
- 光源、ヒータなどの発熱部に接する部分は、熱による変形及び機能の変化を起こさない構造でなければならない
- 保守、点検の際、作業がしやすく、危険のない構造でなければならない。
5択の正誤問題の選択肢の一つにしれっと混ぜやすそうなので紹介しました。
まとめ
JIS B 7954 浮遊粒子状物質自動計測器は毎年出題されていて、出題傾向もそんなに変わっていません。
過去問をしっかり解いていれば得点しやすい問題です。
全部で25問しかないので一問ずつ確実に対策をしていきましょう。